1月24日(月)【晴れ・『血脈』を読み終えて】
2005年 01月 24日
1週間かかって読み終えました。長さのことを思うとかなり早く読めたかと思います。今朝新聞のテレビ欄を見ましたらちょうど今日からNHKで「ハチロー母の詩・父の詩」が始まるようでグッドタイミングでした。
感想・ひと言:何とまあ大変な一族なのだろうか・・・
佐藤紅緑の血を引く一族最長老の佐藤愛子さんがたんたんと描かれた身内の記録なのですが、その辺の簡単な小説よりも何層倍もドラマチックな物語でした。出てくる兄弟親族そろいも揃ってみな一筋縄では行かなくて関係者(親・妻・夫)は右往左往振り回され苦労の連続なのです。
これだけ、みな、不良というのもほかにないのでは、と思いました。
遺伝学のモデルにならないかしら??
不良というのは、学校に行かない、仕事をしない、結婚は1回ですまない、愛人を作る、お金はどこかから貰うか借りてすませるという手合いのことです。普通に決め付ければ社会の落ちこぼれというところでしょうか。ただ長兄のサトウハチローだけはその才能を充分に発揮して花開かせ世の人に名を知らしめたほとんど例外的な人物ですが、それにしても一般常識で考えるとドロップアウトになるのかもしれません。
不良が悪いか!ドロップアウトのどこがいけない!と開き直られればそれまでですが、まわりはたまったものではなかったと思います。それもこれも愛子さんに言わせると父上紅緑の「荒らぶる血」故ということになるようです。愛子女史にしてもただの小説家の範疇からははみ出ているように感じますからね。この「血の中の毒」にあてられて、私はすっかり疲れてしまいました。読み手の気力をも奪い取るような毒言い換えるとエネルギーが充満している小説でした。テレビ化に興味津々ですが、NHKだからこの毒はきっと無視してきれいごとにしてしまうのかなぁ~~と皮肉な興味もあります。
「サトウハチローと詩」
佐藤紅緑の長男サトウハチロー(何故カタカナの名前なのかというと、幼い子どもでもすぐにわかるようにカナ書きの名前にしたそうです)の名を聞くと私が思い出すのは昔TBSが昼の1時から放送していた「おかあさん」という30分ドラマです。内容は忘れましたし、詩も覚えていませんが必ず冒頭にサトウハチローの「おかあさん」をテーマにした詩が流れました。そのことだけが妙に脳裏にこびりついています。
愛子女史によればハチローの詩も「作ったもの」で、本当の感情などではないと一言のもとに切って捨てられます。感情ではなく、そうあって欲しいという希望・夢の形だったのかもしれません。その詩のイメージとはおよそかけ離れた人物だったようで、ちょっとびっくりしました。当時に生きた方々にはよく知られたことなのかもしれませんが、私はハチローの「不良」については知らなかったので新たな発見ということになります。ハチローは中学を転々とし(不良ゆえ)5年間に8回もかわったあげくに卒業できなかったのですが、その中の一つにうちの近所の学校(今は高校)が出てきたのには驚きました。
もうすぐひな祭りですが、あの「あかりをつけましょ~♪」の歌もハチローだそうですし、有名な「・・・~~♪ちいさいあき、ちいさいあき、~・・・・みぃつけたぁ~♪」もそうです。大ヒットしたものでは「りんごの唄」もハチローだそうです。私が気づいていないだけで、あたりにはハチローの詩がここそこにあります。でも、その詩と詩人の人生のかけ離れていることといったら、まあ、何なのでしょうか!それが芸術家というものだ!と言われたら私は考え込んでしまいます。
「だーれかさんがーだーれかさんがーだーれかさんがーみーつけたー」だよ。
揚げ足とってごめんなさい(笑)
昔、こんなゲームがあったから。
またやってしまいましたよ~~~(涙)
歌詞を覚えるのがチョー苦手なわたくしでした。
こっそり直しておきまする。トホホ・・・(JARSACにひっかからなくてヨイカモ)