【博士の愛した数式】
2006年 02月 20日
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「goo映画」
時間は流れている。過去があり、現在があり未来へと続く。その時間が寸断されて、今しかないとしたら、どんな気持ちがするだろう。過去の記憶が1975年で終わり、その後が空白となったら、どんな気持ちがするだろうか?博士は交通事故の後遺症のために記憶が80分しか続かない。きっちり1時間20分が過ぎるとスタートに戻ってしまう。過去の蓄積がなければ未来への展望などとても開けない。今現在があるのみの生活。私だったら頭をかかえてノイローゼになるだけだろうと思う。
原作は「本屋大賞」第1回受賞作、著者は小川洋子。中心人物は80分しか記憶が続かない数学の天才の「博士」(寺尾聰 )とその家に通うシングルマザーの家政婦(深津絵里)とその10歳の息子「√(ルート)」。そして博士の日常を援助している浅岡ルリ子演ずるところの義姉。そして「数」。
この映画で「数」や「数式」は重要な位置を占めています。
私は数学は苦手です!高校2年でサヨナラして以来この方縁がありません。苦手というのは「出来なかった」からで、別に嫌いだったわけではありません。(と、思う)。中学1年の最初の1歩、幾何の時間に三角形の補助線がどうしても、どう考えても答えを見ずしては引けなかったので、「私には数学の才能がないに違いない」と決定し、以後なるべく近寄らないことにしています。
そんな数学音痴にも、優しく数の美しさと優しい人間関係のあり方を見せてくれたこの映画は秀逸でした。
とにかく、背景が美しいのです。
「どこかしら?信州かな?」
と思ったとおり、上田の四季が流れます。博士の記憶は留まったままですが、景色はどんどん変わります。それが、又、胸をジーンとうつほど美しいのです。
さらさら、きらきら流れる千曲川、、、、。
ピンクの可愛い杏の花。
博士の障害は悲しいことなのに、家政婦の優しさと素直な10歳の息子が暖かく包んでくれました。かたくなな義姉の心も柔らかく溶けていきます。
数学の教師となった√が、最初の日の挨拶を終えた後に博士と楽しそうにキャッチボールをするシーンで終わります。寒い冬の日に心が暖かくなる映画でした。見て良かったです。
薪能の場面に作者の小川洋子さんの姿が映り、あら?と思ったらやはりそうでした。
数字&数学アレルギーの方にも十分に楽しめる「文芸」作品です。数字が魅力的に見えてきますから、お嫌いな方にこそ是非おススメ!
実に静かな映画だった。激しい愛の言葉もなければ、涙も憎悪も嫉妬もない。死の場面がなく、ラブシーンもない。淡々と日々の移ろいを追っただけなのに…。それでも、心を打つ、深く静かに、強く。「博士の愛した数式」(小泉堯史監督)はそんな佳作だった。80分しか記憶....... more
普段、身体は温かいので、心を暖めたい今日この頃です。
これは、本当に胸が暖まる良い映画です。
必見ですよ~☆☆☆☆☆
是非是非どうぞ!
天気の悪い日にでも是非ご覧下さいませ。
心はほかほか、涙がじ~ん、、、。
風景は美しいし申し分のない映画でした。
原作も読みましたが、雰囲気は損なわれていないと思います。
千曲川に行きたくなりますよ~♪