【本格小説】
2006年 07月 03日
実にうまく組み立てられていて、長編ですが、飽きさせることなくどんどん読み進めます。いわゆる日本版の「嵐が丘」なのでしょうが、それだけではなく、水村さん自身の生い立ちにも少し触れられているし、それがどこまで事実でどこまでフィクションなのかはわかりませんが、その曖昧な点が又この小説のアクセントになっているのかもしれません。
出た時から書評は好評だったので、読みたいなと思っていました。読売文学賞も受賞されているので、単に好評というわけではなくきちんと認められたのだとうれしく思いました。
私は随分前に水村さんの母上が書かれた「高台にある家」という、いわゆる、私小説を読みましたので、何となく水村さんのご家族のことはわかっているような気がしています。母上の作品は凄い内容ですが、こちらも読むと理解がスムーズかも、と思ったりしました。
600ページの文庫本2冊約1000ページ強を一気に読ませる、その筆力にほとほと感心しています。
「嵐が丘」の背景が「三姉妹」の「桜の園」なわけですが、昭和の中ごろの成城学園や軽井沢の様子、良いおうち(?)の美しい会話なども私にはとても楽しめました。もっとも私には楽しめてもお若い方にはツマラナイかもしれません。この辺りは好き好きでしょうね。
この話、1時からか1時半からの連続TVになれば、毎日見るのだけれど、と、思いました。
私は「読売文学賞」というのはよく知らなくて、知らないので、いつの間にか受賞されていました。。。。。よかったですが、、、、
お時間がありましたら、是非。ま、取りあえずは立ち読みでもなさってみて下さいませ。多分買ってしまうと思います。
千歳船橋も沢山出てきますよ~~
メインのラブストーリーも「嵐が丘」なので、面白いのですが、三姉妹の個性がなかなかよろしくて、読み進んでしまいました。
「3丁目の夕日」とは又別の世界ですから、楽しいと思いますよ~♪
いきなり「本格小説」という題を聞くと「?????」と?が並びますが、比較の問題ということのようですね。でも、本当に久々の本格小説で楽しかったです。是非TV化してほしい~春絵ばあちゃんは岸田今日子がいいなぁ~なんて思っております。
今日一日読んでいた本も、偶然ですが読売文学賞受賞作品でした。(破獄/吉村昭)
お帰りなさいませ~~
この本は是非お勧めしようと思っていました。
読売文学賞つながりですね。
大長編ですが、一気読みしてしまいました。
とても面白い「本格小説」です。