【あじない「やきそば」考】
2006年 10月 30日
中公文庫の「うまいもの・まずいもの」(赤瀬川原平・東海林さだお・奥本大三郎)という新刊を買って読みました。文庫では新刊ですが、内容は中古というか古本でした。12年も前の対談鼎談なんて、ちょっとひどいです。時代がずれていてびっくりしました。その中で唯一新しいと思えたのは最後のオマケです。
甲斐美登里さんという方が書かれた番外編『「京都人(みやこびと)」が感じる「東京のまずいもの」』に
>京都では「まずい」という言い方は少なくとも私が小さい頃(昭和20年代後半~30年代前半)にはなかった。「あじない」だった。そして、女の子は「まずい」「嫌い」を言うと親にしかられたものである。気ままや気随を言うたらあかん、のではない。直接的な言い方をしたらあかん。「おいしない」「好きやない」と言いよし、と。
ほかの内容はさして目新しくもなかった(かきごおりの話・いなりずし・海苔巻き・肉まん)のですが、これはいただきだわ~と思ったので、「あじないやきそば」という題をつけました。いや、実にまさに「あじがなかった」やきそば話。トホホ
今日は朝から色々用事があって走り回った挙げ句、何というか、中華が食べたくなったのです。アスターもしばらく行っていないし、店はちょいとだけれど味はいけるラーメン屋にも随分行っていないし~と思いを巡らしたのですが、「マーロウ」が欲しくて行ったデパ上の中華屋さんに入ったのが運のツキ。ごく普通の中華だと思っていたのですが、おそらく私の選び方が悪かったのでしょうね。惨敗でした。
このやきそばは「野菜あんかけやきそば」です。
というわけで、具は野菜オンリーです。ヘルシー。味なし。トホホ。
やはり一切れでも良いので豚肉が入っていればもう少し「味」がついたのでしょうね。
しょうがないので、酢と辛子を投入して完食致しました。東海林さだおさんを見習ってまずくてもなんだかんだして食べてしまう私です。
まずいという表現はちょっと違うのかもしれません。みずっぽいの。だから味なしなんでしょうね。それをカバーする肉類がないので、そのままの味が出てしまいました。あじない=みずくさい
こういうものもセットされていました。蒸し餃子・シューマイ・もう1つ(?)の3点セットです。これがね~。・・・・・・・・・・・・・・・・暖かいのですが、昔熱かったのよという感じです。皮が何というか、昔みずみずしかったのよ~という皮なの。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は味音痴ですから、めったにまずいとは思わないのですが、久しぶりで今日は大失敗でした。美味しくない時は書かないことにしていますが、たまたま「うまいもの・まずいもの」などという題名の本を読んだのでつい書いてしまいました。
この中で奥本大三郎さんという昆虫学者でいらっしゃるのでしょうか?大阪出身の方が「大阪の八角弁当ってあるでしょう?あれ結構うまいですよね。」東海林さだお「ええ、有名ですね。」というくだりを読んで先日思い出した水了軒のお弁当のことだわとすぐにわかりました。昔あれが異常に好きな時期があって、新幹線に乗るのにわざわざ新大阪まで戻って乗ったことがあるのです。この駅弁を買うためです^^; 駅弁大会で有名なお弁当は手に入りますが、神戸はあっても大阪の駅弁は見たおぼえがありません。東京の大きなデパートの駅弁大会だと出てくるのでしょうか?ものすご~く懐かしくなって、今、あの八角形のお弁当が食べたくてたまりません。
それから、コーラが美味しく感じるのは乾燥した土地にいるときだというのがあって、これも大変に同感した次第です。私も日本ではコーラを飲むことも飲んで美味しいと思うこともありませんが、夏のヨーロッパに行くと世の中にこんなに美味しい飲み物があるのだろうか!と思うほど美味しく感じるのです。コーラ中毒になるのでは?と案じるほどでした。日本に戻るとまるで飲みたいと思わないわけです。やはり空気が違うと飲み物の好みも変わる物なのでしょうかねぇ~~?
そして「食感」問題です。私たちはパリパリやサクサクとした食感を好みますが、フランス人は何でもくたくたになるまで煮込んだ柔々なものを好むと言う話。なるほど。言われてみるとそうなのかなと思います。ビロードのようになめらかなといったすべすべ感を好むとか。歯に当たる感触喉を通り過ぎる感触の好みにもお国柄があるのかなと思いました。
で、最後にトンデモナイものを発見。最初に書いた甲斐美登里さんの「やっぱりイギリスはまずかった?」の中に出てくる「マーマイト」というペーストです。イギリスの朝食シーンではお馴染みの塗りものだそうですが、私は初めて知りました。なんでもイースト(酵母菌)を何だかんだしてペースト状にした変なものだそうです。エビオスを砕いたようなものかしらん?と思ったのですが、エビオスはビール酵母だから違うのかな~茶色くておかしな味がするけれど、これが好きな人にはかかせない朝の味だそうです。
やっぱりイギリス人の味覚って変わっているのでしょうか?
>暖かいのですが、昔熱かったのよ
>皮が何というか、昔みずみずしかったのよ~
すごい!!素晴らしいです^^まさに、直接的に言われてないのに、とぉ~ってもよくわかって、ちょっと感動いたしました☆
これから私もこれを見習わせていただきます!^^;
冷めたものをいただくときには、昔温かかったもの、と表現することにいたします^^
法隆寺の鍋焼きうどんを凌ぐあじなさですか?
京都人の「言い回しは婉曲に、しかし言いたいことはきっちり伝える」
独特の言語感覚にはいつも敬服している私です(いやホント)。
考えてみたら英語でも「不味い=hove no taste」ですよね。
昔熱かったのよ・・・に感動しました^^ そして笑わせていただきました^^
面白い表現ですね~
私も使わせてもらおうかしら
土地や気候によって嗜好が変わるお話もおもしろいですね
日本から出たことがありませんが 季節によって食べたいものが変わるのと似ているのでしょうかね。
これ、私も時々感じます。その場所の空気に合う食べ物や飲み物というものがあるのでしょうね。ロンドンで飲んだギネスはおいしかったけど、アメリカで飲むといまいちなんですよ。お店の雰囲気もあるのでしょうか?
「味ないのやもん」こんな風にいうと「あじないなんて言うたら
失礼やさかい、お腹がいっぱいやていわなあかんえ」・・・
京都は、今思ってもいろいろ言い回しやオブラートに何重にも
くるんだ辛らつな言い方がありましたえ・・・
暑い国のチャーハンや焼きそばは、テーブルに必ず添えてある
チリソースやスイートチリを付けて頂くと何とか食べられた記憶があります。
わたしも今、UPしたの。駅弁(笑)わらえますぅ~~。
ところで、野菜あんかけやきそば美味しそうですが、(写真では)
マーロウがどこで手に入るんですかぁ?
それが知りたいです~。こっそり教えて下さい~(笑)
葉山でしたっけ?そこまではなかなか行かれないですもん。
職場にも何人かおりますが、得体がしれない人たちと勝手に思って(それは当人たちのキャラ的に)遠巻きに観ておりますところ、食に関心が無いという人々を見受けます。毎日同じ(職場の)食堂で同じようなメニューを食べ続けているのです(笑)
「おいしない」 関東のコトバで育ちましたので、ソフトに感じるのは気のせいでしょうか。私も、この言葉だけ今度から使おうかしら・・・といっても、私が”おいしない”と思う食べ物があまり無い(@味オンチ)のですけどもね(笑)
大体おいしいって思うんですが、口に出してまでまずーいっていうものってどんな味なのかちょっと興味があるかも。。。(^w^)
せっかく選んで食べたのに、期待はずれだとがっかりしちゃいますね。。。
あんかけにはやっぱり肉が欲しいなぁ~~
この本にも美味しかったものがどう美味しいのか表現するのは難しいし、味なんてすぐに忘れてしまうとありました。
だから
まずいものの方がインパクトが強くて書きやすいのかもしれませんね。まずいものブログにしようかしら~--;
自分の作ったものの羅列になりそうで、怖いです。
出た!antoine!
まずいものの時だけ出現ですかぁ~・・?(笑)
とても法隆寺には及びません。あれはもう、別格のまずいもんであります。この日本にあれ以上まずい食べ物は存在しないと思われます。
>不味い この字からして「あじない」ですものね。英語も漢字も京都もまずいものは味ナシでございますね。なるべく遭遇したくないです。味ナシ。
顔ナシ という妖怪を思い出しましたーー;
まずいもんに感動なんかしないで下さいませ~~~(--;)
日本でも北と南、東と西では味付けが異なりますから、風土と食べ物は密接に結びついているのでしょうね。土地の名物はやはりそこで食べてこそ美味しいのかもしれません。
この「あじない」やきそばも中国で食べれば美味しいのかもと思ったりは しませんが、、、、、^^;
>ロンドンのギネス きっとすご~く喉が乾いてらしたのでしょうね。喉が乾いているとただの水でも甘露ですもん。なんて書くとギネスに怒られるかな?(笑)
やはり風土と食物は密接に結びついているのでしょうね。余所へ持って行って食べてもさほど感動しないというのはよくあるようです。
「あじない」でもまだ婉曲には足りませんか。
もっとも作って下さった顔が見えるお料理だとすると、とても「まずい」だの「あじない」だのとは言えませんよね。
「それならあなた作ってみせてちょうだい!」などと言われたら大変です。逃げ出さなくてはなりませ~~ん^^
東南アジアのお料理はテーブルで味付けするのが普通だと聞きましたから元から味はないのかもしれませんね。ここのテーブルにもチリソースやニョクマムやナンプラー(この2つはどう違うのでしょうね?)でも置いてあれば私は好みの味にしますが、醤油とラー油と酢と辛子の普通の調味料だけでした。残念!
私の写真の駅弁はなかなか食べられない駅弁です。幻の駅弁(?)@私
シウマイ弁当、美味しそうですね~食べたいといいつつこちらもなかなか食べられません。いつでも食べられるから~^^
マーロウのプリンはやはり美味しかったです。お取り寄せも出来るようですよ~☆
>イギリス人 有名な「おいしい」エッセイもありますが、関心が薄いというのもありそうですね。それも気楽な人生かなとうらやんでみたりします。考えることが減るわけでしょう?@今日は何を食べようか?
>まずいもの 美味しい物よりも巡り会うチャンスが少ないですね。ので、非情に印象に残って一生忘れなかったりします@法隆寺の鍋焼きうどん(笑)
季候が違えば文化も違うので食べ物の好みもそれぞれで共通しないことはあるのでしょうね。年齢の違いというのもあるかもしれません。私なんてもう、ギトギトしたものはいただけません。あっさりさっぱり精進料理のような生活をしています。(ホント)←ウソばっかり~?(笑)
この本には納豆よりも西洋の人は黒い色のものに拒絶反応を示すのでは?例えば海苔のように。。。とあったのですが、14年前の話ですから、今じゃお寿司ブームで誰も海苔を気味悪がる人もいないでしょうね~時代が変わってしましました。それにしても茶碗蒸しがお嫌いな方はプリンも苦手なのでしょうか?それってイギリス人だからというよりは個人的な好みのような気もしますが、、、、、^^;
まずいものとの遭遇がない人生とは何と素晴らしい生活なのでしょうか!私はしょっちゅう変な物を作っては「マズー」と顔をしかめております。
今回のあじないやきそばはチョイスの失敗もありましたが、この味付けには「愛がない」のです。まずいものって、そう。愛なし。美味しい物を食べてもらいたいという愛情がこもらないと美味しい物にはならないようですよ。本当に。私の料理は愛がないので不味くなるのでしょうね~・・・・・・・・(反省後悔遠い目)