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【山田洋次の「東京家族」】

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公式HPです: 東京家族


山田洋次が大先輩小津安二郎の「東京物語」をモチーフとして作った「東京家族」を見てきました。普通の月曜日ですが、いつでも1000円のシニアで賑わっていました。モチーフなのかオマージュなのか定かではありませんが、配役の名前はそのまま、時代と背景を60年ほど移動させています。

小津の「東京物語」が公開されたのは1953年なので、ちょうど今年で60年。テレビ放送と同い年になります。。
本来は去年公開されるはずが、東日本大震災に衝撃を受けた山田洋次監督が、震災の悲劇を盛り込みたくて、1年公開が延びたのだそうです。
小津の「東京」が戦後8年の東京が舞台だとすると、山田の「東京」は大震災後の東京が舞台という位置づけになるようです。
もっとも、東日本大震災に関するエピソードは、必要なのかというと、そうでもなくて、ただ、後年この映画を見た人が「あ~大震災の翌年の映画なのね」とは思うだろうなという感じでした。

物語は瀬戸内海の小島に住む老夫婦が東京にいる子どもたちを訪ねてくるところから始まります。
内科の開業医をしている長男と美容院を経営する長女、舞台美術関係の仕事をするほとんどフリーターの次男。それぞれの家を回りますが、皆働き盛りで忙しい。色々あり、頼りない次男に結婚を誓う恋人がいることがわかり、老母は喜びます。
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老母といっても68歳設定。
東京物語の東山千栄子は本当にお婆さんという雰囲気ですが、吉行和子の68歳はそれなりに若々しく、60年の歳月が日本人を若返らせたのか?と、印象的でした。
東山は今だと78歳という感じですよね。10歳は若くなりました^^

が、突然脳溢血か何かで倒れてお亡くなりになるので、あああ、、、
團十郎が66歳ですから、私の人生も残り少なくなったなと自分に置き換えて憂鬱になりました。

映画はたんたんと進みます。
印象に残るのは、色々事情があって両親に徹底的には尽くせないけれど、それなりに優しい子どもたち。
憎々しい悪人は一人も登場しません。
心優しい善人の物語だな~・・・としみじみしました。

長女役の美容師さん、どこかで見た顔だけれど、思い出せないわ、と思ったら、蛍ちゃんでした。
可愛い蛍も大人になってもうおばさんになったのかと、わが身はさておき、ちょっと驚く疎い私でした。

原節子の役なんだな~と思った蒼井優。
下から見上げるようなアングルだと、原節子の雰囲気を真似ている?笑い方が似ている?そういう雰囲気があるから選んだのか?と気になりました。
男優さんに疎い私は妻夫木次男をてっきりオダギリジョーだと勘違いしたのですが、似たところがありませんかね??画像検索しても、似ているわよねと思ってしまう識別力のないヒトでした^^;

東京物語は尾道、家族は瀬戸内の小島と故郷の場所が変わりました。
瀬戸内の小島の方が景色もよく、様々な思いにふけるのには適切な背景になるからかなと思ったり。
未だ昭和の面影の残る島の様子、景色、転々と小島の浮かぶ瀬戸内海の風景は過ぎてしまった時間を懐かしむのには十二分だなと思いました。尾道ではもう都会過ぎて、話にならないのかもしれませんね。

しっとりとした良い映画だと思います。
Tracked from 本当に幸せなの? at 2013-02-05 20:59
タイトル : 映画 「ニッポンの嘘」と「東京家族」
以前書いたことのある映画「ニッポンの嘘」が三つの映画賞を受賞したとの新聞記事を読みました。 昨年8月に公開され、全国の43映画館で約3万人の方が観られたそうです。 3つの賞とは     11月に発表された第86回キネマ旬報ベスト・テンで 文化映画部門第一位     「矛盾した日本社会をばっさり批判した痛快な一作」   1月8日に決まった2012年度日本映画ペンクラブ賞では 文化映画第一位     映画評論家ら約200人の投票で 2位に20票差の断トツだった   1月17日...... more
Commented by yasukon20 at 2013-02-04 18:06
こんにちは!
観られたのですね。
実は私も2週間ぐらい前に観ました。 なかなかアップできないでおります(^^ゞ
68歳に亡くなった吉行和子さん(笑)私もショックでした(~_~メ)
でもおかしくもない年齢なんだと自分と重ねております。
またいつかアップしましたらご感想を・・(笑)
大崎上島という島でのロケで今 広島県ではあちこち大崎上島のパンフが置いてあります。
でも場面としては少なかったと夫が不満を・・(笑)
仕方ないですね「東京家族」ですもの(笑)
Commented by emptynest2 at 2013-02-04 23:05
ほかの方のブログでは、涙涙のお話だということでしたが
Kekoさんも、ぐしょぐしょでしたか?
Commented by 福にゃんママ at 2013-02-05 13:48 x
小津安二郎作品のなんともいえない 間 がすきで
原節子が好きで、むか~~しですが、よくビデオ借りたものです。
あのゆったりした時代感も、ばたばたした現代人にはしんせんなのかも
この作品も興味ありありですわ~~
Commented by genova1991 at 2013-02-05 18:36
☆yasukon20さま
こんばんは^^
yasukoさんは公開直後にご覧になったのですね^^
今でも混んでいるから、その頃はさぞや大賑わいだったことと思います。
どちらかというと、静かにしんみりと見たい映画ですよね^^;
大崎上島の場面は少なくても、ラストに出てくるので、皆さんの印象には残ると思いますよ。
いい所だな~・・・・しみじみ、、と、思いましたもの^^
良い映画でしたね^^
Commented by genova1991 at 2013-02-05 18:38
☆emptynest2さま
悪い人や憎らしい人が一人も出てこない映画なので、
ただ懐かしい思いで心が満たされて、自然にじわ~~~んと
涙ぐんできますよね。
島に戻ってからの場面が特に眺めが良いというのもあるのでしょうが、
涙があふれる感じでした。
静かにひとりでしんみりしながら見たい映画です。
おうちでDVDの方が良いかも^^
Commented by genova1991 at 2013-02-05 18:39
☆福にゃんママさま
山田洋次の小津へのオマージュだそうで、
尊敬敬愛はしても、真似ているわけではない、、、
そんな感じがしました。
静かに流れていく時間が心地よかったです。
機会がありましたら、是非ご覧くださいませ。
DVDでもいいかな~♪♪
Commented by glass-jaw-hopper at 2013-02-14 10:14
京王線の新宿駅でこの映画公開当時山田洋次監督を見掛けました。随分大きな人で180センチはあるんじゃないでしょうか?
プラスオーラもあるんでしょうね。
東京駅のエスカレーターでは死神博士こと天本英世さんと擦れ違いましたがこちらも大きな人でした。
どちらも長身で東京大学法学部出身・・・こんな映画人が日本の映画を支えていたんですねぇ〜


ちなみにこの映画のポスター作りました(^^)v
Commented by genova1991 at 2013-02-14 19:06
☆glass-jaw-hopperさま
>山田洋次監督 へぇ~~!そうなんですか^^
出演される訳ではないから、そんな大きな方だとは知りませんでした。
お顔を見かけても、私だったらわからないのかもしれませんね。
天本さんは映像を見ても、細身で長身だというのは、わかりますよね^^

>ポスター まあ!!そうでしたか^^
以前呉でお仕事をされたと書いてらっしゃいましたが、
この映画も瀬戸内関連ですし、ご縁がおありなのですね^^
Commented by glass-jaw-hopper at 2013-02-15 09:28
山田洋次監督はオーラがありましたよ〜きっとわかるでしょう。
調布で見掛けた今は亡きつかこうへいさんも一目でわかりました。
やはり大勢の人動かして作品を作る人には何かあるんでしょうね〜
Commented by genova1991 at 2013-02-15 19:38
☆glass-jaw-hopperさま
>オーラ へぇ~そういうものなのでしょうか?
私なんていつもぼんやりと歩いているので
通り過ぎてから気づきそうです^^;
有名人とすれ違う、見かけることがあまりなくて。。。

見てみたいです!!
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by genova1991 | 2013-02-04 16:33 | ・映画 | Trackback(1) | Comments(10)

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