【万引き家族】
2018年 06月 15日
カンヌでパルムドールを受賞し、絶賛公開中の是枝作品を久しぶりの109シネマズで見てきました。
ちなみに21年前の受賞作は「うなぎ」だそうです。
是枝作品なので見るだけでも結構しんどいのですが、がむばって全部しっかり見ました。
夫は途中少しうつらうつらしたそうで、ストーリーの流れを私に確認していました。
内容は真面目で深刻なのですが、上手に作られているので、ついつい、深刻な現実というのを忘れがちになります。おばあちゃんが樹木希林ですから、なんとなくユーモラスになるのかもしれません。
様々なテーマが流れていて、どれを個人的に取り上げるかで、その人の思うところが強調されるのでしょうね。家族の絆?幼児虐待?etc.etc.
ちょうどこの映画が公開された直後だったか直前に例の連れ子虐待殺害事件があり、映画が妄想ではなくてリアルな現状にぞっとするのでありました。日本はどこまで落ちていくのか、過去を忘れて今にしかピントを当てないから、昔からそうだったのかがわからなくなります。
このブログを始めてすぐに見た「誰も知らない」だって子ども虐待映画ですもの。
弱い者ばかりが虐められてひどい目にあう毎日のようで耐えられません。
是枝映画らしいな~と思いはするものの、やはり描かれた日常が頭にしみこんで、なんとなくあれこれと考えてしまうのでした。
万引き家族のタイトルの由来は、この子とリリーフランキーの所業のせいでしょうが、万引きをするのは主にこの子(最初は女の子だと思い込み、男の子なの!!と知ってびっくりするワタクシw)が手業を披露するからなんでしょうね。リリーフランキーには日雇いの仕事がありますし、相棒の安藤サクラはクリーニング屋でパートをしているので、万引きで食べているわけではありません。樹木希林バーちゃんには年金があります。だから万引きはあくまでも日々の足りないもの、あれやこれや欲しいものを手に入れる手段でしかないのでしょう。万引きをしなくても暮らせるけれど、しないとちょっと足りない。そんな感じなのかな~~
かといってお天道様に恥じない生活をしている訳でもなく、ばあちゃんはパチンコ屋で人さまの箱を横取りしたり、前夫の家に行ってはイヤがらせ?で小銭(でもないけれど)を手に入れたりしています。
犯罪家族と予告では説明していましたが、清廉潔白ではないという意味での「万引き」なのかと思いました。
万引きって変な言葉ですよね。
窃盗ですものね。
そこに紛れ込む、明らかに虐待されている幼女がきっかけとなり、このゆるい繋がりの家族?が壊れていくのが今回のストーリー
お互いに自分の利益?都合?のために一緒に住んでいるだけですが、そこはそれ、なんとかにも一分の魂ですから、いいところはあるわけよ。
虐待幼児には優しく接し、実家であれこれ思う所があるのか家出少女にはまったりと接し、てな具合です。少女かと思った少年はどういう訳でここんちに居るのかが私にはよくわかりませんでした。
ポスターのにっこり微笑む幸せそうな、いかにも家族然とした表情の裏には、個々の抱える厳しい内情が隠されているわけで、上っ面幸せ、実情不幸せみたいなつながりなのでしょうね。
いつもの通り支離滅裂な感想ですが、普通に生きていくだけでも難しい現代日本を象徴しているのだろうか?と思ってみたり、、頭の中がますます支離滅裂になりました。
平穏な毎日がいかに貴重なのか考えさせられます。
上っ面だけでも平穏な方がありがたいけれど、
フツーに死んで、焼き場で焼かれたい。家の下には埋められたくないなとは思いました。
(そういった事件が現実にあったそうでヒントになったとか。年金詐欺ね)