【2度目のはなればなれ】グレイト エスケーパー
2024年 10月 15日
それぞれ2度のオスカー受賞経験を持つイギリスの名優マイケル・ケインとグレンダ・ジャクソンが、「愛と哀しみのエリザベス」以来50年ぶりに共演し、89歳の退役軍人がノルマンディー上陸作戦70年記念式典に参加するため老人ホームを抜け出した実話を基に描いたヒューマンドラマ。
2014年、夏。イギリス、ブライトンの老人ホームで暮らす老夫婦バーナード(バーニー)とレネは、互いに寄り添いながら人生最期の日々を過ごしていた。ある日、バーナードはフランスのノルマンディーへ向かってひとり旅立つが、彼が行方不明だという警察のSNS投稿をきっかけに、世界中で大きなニュースとなってしまう。バーナードとレネが離ればなれになるのは、今回が人生で2度目だった。決して離れないと誓っていたバーナードがレネを置いて旅に出たのには、ある理由があった。
監督は「シンクロ・ダンディーズ!」「理想の結婚」のオリバー・パーカー。本国イギリスでは2023年10月に公開されたが、グレンダ・ジャクソンは同年6月に他界し、これが長編映画の遺作となった。
2023年製作/96分/G/イギリス
原題または英題:The Great Escaper
配給:東和ピクチャーズ
劇場公開日:2024年10月11日
シビル・ウォーを見に行くつもりが先にこちらを見て泣こう😭と、思い直し公開週なのにエグゼクティブシートに座れて良かったのかそうでもないのか、、
配給はいつのまにか東宝東和では無くなった東和で、製作陣の名前にBBCや雄鶏パテ社が上がっていて、パテ社ってまだ作っているのかとびっくりしました。古い戦前のニュース映像でお馴染みのコケコッコです。つまりフランス🇫🇷
この映画を見ようと思ったのは6月にDデイ80年の記念式典ライブを沢山見てしまい、全く知らなかったDデイ、つまりノルマンディー上陸作戦のことが少しわかったからです。
映画の舞台は10年前の70年記念なので、アメリカのオバマ大統領やエリザベス女王の名前が出てきます。
80年式典を見たから、白い墓標の並ぶ英国人兵士の墓地の意味もわかりますし、戦争による無意味な死の悲しさも少し理解できたように感じました。
90歳の主人公バーニーは初めて記念式典に参加するために一人でドーバー海峡を渡ります。ノルマンディー上陸作戦で失われた同僚兵士の死を見つめ直したかったからです。記念式典に参加するために集まったヴェテラン(退役軍人)達はそれぞれ思うところがあり、戦争に生き延びたトラウマを抱えています。
戦争は虚しい
生き残っても命を奪われても悲しいことばかり
どうしていつまで経ってもこんな無益な争いを人間は続けるのでしょうね。
80年前のことではなく、今現在もウクライナやパレスチナで沢山の命が失われています。
人間は馬鹿だから争いをやめられないのでしょうか?
年老いた夫婦が寄り添いながら生きていく姿は明日の我が身なのでちょっと辛いのですが、しみじみしながら人生や戦争を考えさせられる良い作品でした。
流石に10年前に90歳だった主人公のモデルさんは、Dデイ記念式典の半年後に亡くなられたそうです。今年の80年式典に参加されたヴェテラン達は皆さん一体何歳だったのか、、、
かつては敵だったドイツ人と
そうそうフランスに着いて街を歩いていると現地の老婦人にメルシーと声がけされる場面がありました。ナポレオン以外滅多に勝てないフランスなので、第二次大戦でもあっという間にドイツに負けて占領されてしまうのね。多くの犠牲を払って助けに来てくれたイギリスやアメリカやカナダの兵隊さん達に現地民は感謝の言葉しかないのだろうなと思いました。l
名優マイケル・ケインの引退作品だそうですが、名優という形容詞に相応しい立派な演技でした。