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長女たち (新潮文庫)

篠田 節子/新潮社




せんだってから、糖尿病、怖い糖尿病と書き連ねたのは、篠田節子の「長女たち」が原因です。文庫本になって本屋に並んでいたので、手に取ってぱらぱらめくり、購入しました。3部仕立てになっていて、最初が「家守娘」次が「ミッション」最後が「ファーストレディ」です。

で、糖尿病云々が出てくるのは、最後の「ファーストレディ」です。


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by genova1991 | 2018-02-20 18:35 | 読み物 | Trackback | Comments(0)

豆の上で眠る (新潮文庫)

湊 かなえ/新潮社



暮にお正月休み用に購入し、最初と最後だけ読み放置していたのですが、少し前に中味もぱらぱらと読みました。結局最初と最後だけでもいいような気がしましたが、なかなか面白かったです。

豆の上で眠る という題は童話にそういうのがあり、何か違和感を抱くことのイメージなのかな?
何に違和感というと、2年間行方知れず(神隠し)だった姉が突然見つかって帰ってくるのですが、どうしても違和感がぬぐえない。この違和感は何なのだろう?と、主人公の妹が追及していくわけです。

で、最後に行方知れずになるまで一緒に暮らした姉が偽物で、2年後に戻ってきたのが本当の姉だったという結論。普通偽物が2年後に帰ってくるのでしょうが、本物が帰ってくるというのが、目新しく感じました。

勿論その間の色々な事情も描かれていますが、妹はそれまで感じていた違和感の原因がわかった後、じゃ「本物」って何だろう?と、再びもやもやに包まれるという結末でした。

本物か~~

信じる者は救われる なんて単純にはいかないけれど、目の前にいるその人が本物なのか、偽物なのか、本物であったとして、それがどうなんだ?と、云われるとう~~~む、、と、口ごもってしまうよね。

ある日突然Aさんだった人が実はBなんだよ!!
と云われて納得できるのだろうか?

ここ数日、徳島県での29年前の男児行方不明事件が話題になっています。
記憶喪失の男性が、その被害男児ではないか?
でも両親のDNA採取は中止になったとかなんとか。

ちょうどこの小説を読んだばかりだったので、気になりました。
by genova1991 | 2018-02-04 14:52 | 読み物 | Trackback | Comments(0)

【猫本3冊】

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今日も一日きみを見てた

角田 光代 / KADOKAWA/角川書店



仙台で土砂降りのために外に出られず、エスパルをうろうろしました。
JR東日本の駅ビルですから、仙台のお店屋さんだけでなく、お馴染みの店もちらほら見かけ、ほら、ポンパドウルとか、さぼてんとか、え~~~と、、忘れた(コラ)
その中にくまざわ書店もありました。
「茅ヶ崎のラスカにあるわよね~」

駅ビルの名前はあれこれあって、神奈川県ですと、ルミネにラスカにシァルにアトレ、、
どういう区別があるのかわかりません。エキナカはエキュートでしたっけ?
東日本は鉄道よりも駅ビル商売の方に熱意がカンジラレルのであった。

ということで、茅ヶ崎で馴染みのくまざわ書店に入り、入店記念に猫本を買ってもらいました。

角田光代さんの小説は随分前に空中庭園を読んだ記憶がありますが、内容は思い出せない、、

幼い頃のトラウマが心の中から消えず、淀んだ澱のように沈んでいた気持ちを西原理恵子に察せられて、アメショ♂を貰う。ところから始まる、はじめての猫飼い話です。

文章が短くて読みやすく、さすが小説家だなと感心しました。
私ももっと勉強しなくちゃね(いまさら遅い)

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by genova1991 | 2017-08-29 16:12 | 読み物 | Trackback | Comments(0)

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ランチのアッコちゃん

柚木 麻子 / 双葉社


どこかで書評を読み、ちょっと面白そうじゃない?と有隣堂へ行ってみると、
どさっと山積みです。
表にも裏にも積んであり、表紙からして目立ちまくり!!

美味しそうだなと買って帰る人がいるかもしれませんね。

もちろん料理本ではなくて、元気のない派遣さんと、元気一杯の上司アッコちゃんの物語です。

あっというまに読めるので、買わずに立ち読み否座り読みすれば良かった。
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恋人と別れて元気のない派遣のミチコさんを見かねた上司の女部長のアッコさんは、自分のランチとミチコさんのお弁当の交換を言い渡します。ビックリするミチコさん。
期間は1週間です。
その間に色々な所へ行き、アッコさんのランチを楽しみ、気分転換が出来てめでたしめでたし。
と、簡単に書くとそんなストーリーです。
アベノミクスでプチバブル的に嬉しい方々もいらっしゃるでしょうが、この20年間の基調は、あまりぱっとしないどんより曇り空。元気のない時代です。
アッコ部長のアイデアに少し元気をもらって気分が爽やかになればいいな。的感想。

もっとも物語もそうそうハピーには進まず、次の短編では、派遣された会社は倒産し、ミチコさんは別の会社に派遣、アッコさんは別の事業?に転身します。
この辺りが今風だなと苦笑いをしました。

軽くて読み易く(立ち読みで充分)元気が出るような錯覚に陥る、楽しい読み物です。
字だけのコミックみたいな?
そんな軽さでした。

婆さんには物足りないけれど、忙しくて時間のない若い方には一服の清涼剤?落ち込んだ日の気休め?
にはなりそうだなと思います。
たまには本も読もうよ~!!!
by genova1991 | 2013-06-30 22:22 | 読み物 | Trackback | Comments(2)

b0009849_1321104.jpg昨日源氏物語に触れたので、この本のご紹介を、、、
時代が離れすぎて、何の関係があるのかと問われれば、宮中のお話という共通項で、と、弁解がましいワタクシ037.gif

明治から大正期の皇室関連の書物は結構読みましたので、慣習儀礼的にはさほど驚くような発見はなかったのですが、後宮の1日がとても上手に描かれていて無関心な方でも楽しく読めるのでは?と、思います。

アマゾンで取り扱っていないようで、ライフログに登録出来ませんでした:「新潮選書」←こちらのサイトで立ち読みも出来ます。かなり興味深い新書だと思います。

「おひる~」でめざめ、「みこし~」でお休みになるまでの1日が様々なエピソードを駆使して、目の前で繰り広げられている光景のようにリアルに描かれています。
もちろん創作ではなく、侍従や女官が描いた書物を仔細にチェックして構築されているので、ほぼノンフィクションなのでしょう。

私が一番印象に残ったのは、立ち読みに出ている食事の風景などではありません。

明治天皇は5分とじっとしていることがなかった!



それほど落ち着きのない方とは知りませんでした!

ところが、よく読むと落ち着きがないのではなく、移動することによって臣下に宮廷儀礼に伴う面倒なことども(陛下の前では膝行するなど)を避けるために、常に周りに気を配って、うろうろと歩きまわっていたという考え方です。不便なこと不合理なことをやめさせるのではなく、長い間続いている慣習はそのままに不都合が起きないように自らが動いて問題が起こらないようにするという、消極的改革?改革ではありませんが、気配りの持ち主だったということです。

う~む、、、、現代人にはちょっと考えにくい思考経路ですが、そこが偉い人の考え方なのでしょうか?次の代、次の次の代になると、古臭い慣習そのものが否定されて合理化され、平安朝(多分)からの決まりごとはなし崩しに消えて行きます。

また、侍従や女官のひまつぶし(?)のために様々な用事を言いつけるくだりも、興味深く読みました。あまり意味のないこと、長さを計る?絨毯巻きをさせる?さらには、手芸をさせたりなど、常に何かさせる、させるために考えるのが明治天皇だったような感のある記載です。

ざぼんが献上されるとします。

すると、ヘタを取って、中身をくり抜き、内側に蒔絵を施して菓子器を作らせる。
物を粗末にしない、節約の美徳ではなくて、物は最後まで徹底的に使う!
そのためなのだそうです。節約とか倹約などというのは、庶民の考えで雲上人は
「ただ、最後まで使う」ためにざぼんの皮を利用して器を作らせる。

ふ~む、、、、、そのほかにも色々例が挙げられ、うなるほかない私ではありました。

明治までは源氏物語の世界が少しは残っていた宮中だったようですが、大正に入り、宮殿の灯りは蝋燭から電気に変わり(蝋燭の使用は漏電事故があったため)暖房もスチームに変わり、昭和になると側室制度も完全に廃止され、雅な物語の世界は急速に遠のいていったのです。

そして、今。

「広い広い皇居の森の真ん中に、皇室だけが残った」

このままの状態が続いてあと何十年かすると、皇室の中には悠仁さまおひとりが残るということになるのでしょうか? 気配りうろうろの明治天皇もそこまでは予測されなかったことでしょう。
by genova1991 | 2008-07-26 14:46 | 読み物 | Trackback | Comments(2)

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今日気が向いたので版画やってみました~☆見え透いたウソですね~。これは「スタンプ」加工なのですが、消しゴム版画に見えなくもなかったりして~無理かな?

中公文庫の「うまいもの・まずいもの」(赤瀬川原平・東海林さだお・奥本大三郎)という新刊を買って読みました。文庫では新刊ですが、内容は中古というか古本でした。12年も前の対談鼎談なんて、ちょっとひどいです。時代がずれていてびっくりしました。その中で唯一新しいと思えたのは最後のオマケです。

甲斐美登里さんという方が書かれた番外編『「京都人(みやこびと)」が感じる「東京のまずいもの」』に

>京都では「まずい」という言い方は少なくとも私が小さい頃(昭和20年代後半~30年代前半)にはなかった。「あじない」だった。そして、女の子は「まずい」「嫌い」を言うと親にしかられたものである。気ままや気随を言うたらあかん、のではない。直接的な言い方をしたらあかん。「おいしない」「好きやない」と言いよし、と。

ほかの内容はさして目新しくもなかった(かきごおりの話・いなりずし・海苔巻き・肉まん)のですが、これはいただきだわ~と思ったので、「あじないやきそば」という題をつけました。いや、実にまさに「あじがなかった」やきそば話。トホホ

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by genova1991 | 2006-10-30 20:21 | ・レストラン | Trackback | Comments(18)

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この新潮文庫は大昔からありました。「ウィンダミア夫人の扇」という名を聞いた時にすぐ「サロメ・ウィンダミア夫人の扇」という題名が頭に浮かびました。昔は「卿」が入っていなかったのです。読んでもいないのに、こういうつまらない記憶ばかりが生き残っているのはどうかと思い、本屋をのぞくと、映画化されたおかげかまさかと思ったこの文庫本が店頭にあったのです。びっくりしました。

初版の発行は何と昭和28年です。
平成17年49刷改版となっています。

オスカー・ワイルドは「幸福な王子」しか知らない私ですが、こんなに長い間絶版にもならず生き残っているなんて、結構凄い作家なのだと見直しました。びっくり。

記憶にある「サロメ・ウィンダミア夫人の扇」はうすっぺらい本でしたが、今回手に入れたものは「まじめが肝心」という戯曲が加わっていました。(1冊に3作入っています)

そして、これが面白かったの。
「The Importance of Being Earnest」という原題です。
「まじめでいることの重要性」???
「アーネストでいることが重要」

両方の意味を含んでいる、喜劇でした。
私はこういう軽い戯曲が好きなのですっかり気に入りました。
アーネストという名前を巡るドタバタ劇です。
面白かったな~と思って文庫の裏を見ると、
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なんとまあ、去年宝塚が上演したようです。なるほど。宝塚向きなのかもしれません。

「サロメ」についてはあまりにも有名なので、私ごときは何も言及できません。ただ、佐藤愛子さんの母上が「サロメ」を演じた写真が佐藤さんのご本にあったなと思い出しました。その時代に世界的に流行った演劇なのでしょうね。

「ウィンダミア卿夫人の扇」は「理想の女(ひと)」の原作です。舞台はイギリスです。内容はほとんど同じなので、映画は原作を尊重しているのだと思いました。1920年代に既に映画化されているそうで、それも驚きました。でもきっとヘレンハントの映画の方がずっといいに決まっています。

「まじめが肝心」は言葉遊びが面白いので、翻訳を読んだら原語も読むともっと面白いという評がありました。面白いだろうとは思いますが、、、、、ちょっと大変。(--;)
by genova1991 | 2006-09-13 18:47 | 読み物 | Trackback | Comments(6)

b0009849_821342.jpg久しぶりで丸谷才一を読みました。もっとも久しぶりも何も「たった一人の反乱」と「裏声で歌へ君が代」しか読んだ記憶がありません。

それにしても、巧いなぁ~とつくづく思います。

「たった一人の反乱」を30年近く前に読んだ時も、こんな面白い小説があるのか!と驚いた記憶は残っています。内容は忘れました。前科者のおばあさんがユニークだったことだけ、、。

この作品は3年前の発表です。記憶の外にありましたが、文庫になって並んでいるのを見て思い出しました。早速買って早速読み、始めたら終わりまで止まりませんでした。さすが、丸谷先生!

主人公は美人でバツ一の国文学専攻の大学の先生です。(男性の憧れ?)

出だしが、面白いのよね~

一瞬「何だ?コレ?」の泉鏡花風の掌編です。わけがわからないままに読み進むと、主人公が中学生の時に書いたお遊びだということがわかります。まあ、ただそれだけではないのですが、、

その調子で、いわゆる小説だったり戯曲風だったりと様々な形(?)が楽しめ、国文学の薀蓄も楽しめ、奥の細道のトリビアな知識も得ることができますし、なかなか物知りになれそうな小説です。

メインは源氏物語の中で今はないけれど、最初はあったのではなかろうか?といわれる「輝く日の宮」という巻についての、論争、想像、推理などです。これも楽しめました。最後にちゃんと「こうであろうか?」という見本もついていて、至れりつくせりなのです。

それだけでなく、内輪物?、国文学会の様子・実情?・関係者の心の中 なども大変興味深く描かれています。女性学者同士の対立、はさまれておろおろするヒト、結局そのヒトと関係を持ったりなど、わくわくする要素もあります。

もっともこの主人公は作者の「こういうヒトがいるといいなぁ~」という願望の塊りのような都合の良い女性なので、鼻白むこともあります。

私のように、源氏も奥の細道も宮本武蔵も名前だけしか知らないような者にとっては、初めての話ばかりで大変楽しめました。

トリビア好きな方にはお勧めです。

紫式部と藤原道長の間に関係があったなんて、これを読むまでちっとも知りませんでした。常識なのでしょうか?考えたこともなく、言われればなるほどと納得できますし、源氏物語がレイプの物語であると言われれば、そりゃそうかもしれないが、そう書かれるとギョ!っとするな、などなど、ネタばれを書き出すと止まらなくなるので、この辺で、、、、
by genova1991 | 2006-09-09 08:54 | 読み物 | Trackback | Comments(4)